ライン Kyoto Seika Univ.Textile Work 染色のメチエシリーズ vol.3 ステッチ
メチエシリース三回目は「縫い(ステッチ)」です。デズモンド・モリスの「人類と芸術の300万年」によると「縫い」の始まりは、先史時代に遡り、動物の皮を縫いつなげて衣服をつくった事にあるといいます。刺繍や貝殻などを縫い留めたり、繋げたりする装飾的な行為も旧石器時代には既に行われ、呪術的な生活と装飾の切り離せない関係が伺えます。では私達、現代のアート表現としての「ステッチ」は、どこに向かうのでしょうか?布を糸で縫う行為で露にされる繊維の物質性、テクスチャーによる触覚性、強い実在感を意識すること。その辺に「縫い」の今日的な意味がありそうです。展覧会名を「ライン(line)」としました。lineは糸、描線、しわ、などの他に台詞、詩などの意味があります。「ライン」の意味は更に、主義、傾向、系列と続きます。様々なタイプの「ステッチ」によって生まれた「ステッチ系」を、この展覧会を機に育てて行きたいと思っています。
2015年12月1日〜12月6日