川上力三展
何時の頃だったか、50数年前になると思う。収蔵庫に上がらせてもらったことがある。薄明りの中から白い作品が眼中に飛び込んできた。廃棄されたと思しきカランが小山のように積みあげられ、その先端にも別のカラン(蛇口)が一つ、当時の社会状況に対するメッセージがストレートに飛び込んできた。
美術表現とは、答えを模索し続けていた私に、ARTとは、ちょっと手を伸ばせば触れることのできる身近な存在であることにも気付かせてくれたあの瞬間が鮮烈な記憶として蘇ります。
社会派を自認する実直な川上さんの益々のご活躍を願っています。
マロニエ 西川勲
2023年9月19日〜10月1日