京都河原町の現代の美術・工芸の発表の場|GALLERY MARONIE

現代の美術・工芸の発表の場として、ジャンルは問わず個展を中心に展開。異なった3つのギャラリースペースを持つ京都のギャラリー。

任瑛彬展 Shifting Moment CYCLE

  現在、私の陶制作(Shifting Momentシリーズ)は、両手で捻られた小さな粘土の塊の発見から始まった。ただ粘土をぎゅうっと捻じたというだけの、つまり、手の跡が深々としるしづけられていただけのかたちなのだが、それは、衝撃的とも言えるほど強い印象を私にあたえた。
 
 それは造形物というのではない。さりとて、決して偶然の産物というのでもない。明確な意図は感じられないものの、その粘土には形を変えようとした確かな私の行為が、ありありとしるしづけられていた。それには意図なき表出とでもいうべきものが認められた。その小さな粘土の塊には、粘土を捻じた手の動き、そしてそれに反応して現れた土の生き生きしい表情(ヒダやキレツ)が相まってかたちになっていた。それからはほとんど人工と自然の区別さえ絶した境域が開かれているように感じた。その小さな粘土の塊は、造形というにはあまりにも自然であり、物体というにはあまりに表現的だった。自然であることがそのまま意志的であり、また表現的でもあるような不思議なもの。それを言い止める名辞を私はいまだ手にしてない。それとの出会いは、私が求めていく陶造形のあり方を知覚するようになった切っ掛けであった。

                                                 〈制作ノート〉の中で

 

会期中、2階の「ギャラリーにしかわ」にて器を展示しております。

2014年2月18日〜3月2日

2.18-3F
  • 3F-1
  • 3F-2
  • 3F-3

任瑛彬 イム ヨンビン Lim Youngbin

1980 韓国ソウルに生まれる。
2004 中央大学校芸術大学工芸学科(陶芸専攻)卒業(韓国)
2007 来日
2010 京都市立芸術大学大学院美術研究科陶磁器専攻 研究留学生
2012 京都市立芸術大学大学院美術研究科陶磁器専攻 修士課程修了
現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科陶磁器領域 博士(後期)課程在籍
    現在、京都在住
  
  〈個展〉
2012「Shifting Moment」ギャラリーマロニエ Gallery4(京都)
2014「Shifting Moment-CYCLE-」ギャラリーマロニエ Gallery3(京都)

 

  〈主なグループ展〉
2010「アジア現代陶芸展」弘益大学校現代美術館(ソウル)
2011「プラス9陶芸展」ギャラリーマロニエ Space5(京都)
2012「原初・現実そして記憶」ギャラリーマロニエ Space5(京都)
2013「京都芸大博士展」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都)
   「日韓陶芸交流展」ギャラリーマロニエ(京都)
2014「京都府美術工芸新鋭展」京都文化博物館(京都)
  
  〈主な受賞〉
2002 第32回全国工芸品大展/特選(韓国)
2003 第 4回益山韓国工芸大展/入選(韓国)
    第 2回大韓民国環境美術大展/入選(韓国)
2012 京都市立芸術大学作品展/大学院市長賞(日本)
2013 第 1回瀬戸・藤四郎トリエンナーレ/入選(日本)
    第31回長三賞常滑陶芸展/入選(日本)

 

  〈パブリックコレクション〉
   京都銀行