memento mori 大塚努 ピンホール写真展
小さな孔から差し込む光線によって暗い部屋の壁に映し出された外界の景色に固唾を飲んだ経験はありませんか。ラテン語のカメラオブスクラは「暗い部屋」を意味する言葉で、その原理は古代から知られていました。カメラオブスクラは映像を創り出す装置がですが、この像を化学的に定着したのが写真です。写真術の出現は長い人類の歴史から俯瞰すれば、つい昨日のことと言えます。その黎明以降、人々は精巧なレンズを開発、より鮮明な映像を定着しようと努力してきました。そして今や私たちの周りはさまざまな映像であふれ返っています。その喧騒に逆らい、カメラオブスクラの原点に戻り、供花を中心にした仏教信仰の世界をレンズのないピンホールカメラから覗いてみました。
2013年4月2日〜4月7日