京都河原町の現代の美術・工芸の発表の場|GALLERY MARONIE

現代の美術・工芸の発表の場として、ジャンルは問わず個展を中心に展開。異なった3つのギャラリースペースを持つ京都のギャラリー。

三野惠子展 「異形犬の立像」

              - 異形犬の立像 –

 人間の感情と動物のもつ雰囲気の間に生じた「ずれ」が空想動物を生み出す原動力となります。
でも、「ずれ」を捉えて形にしていくイメージの力はどこから来るのでしょう。
歴史の中では災害や飢饉や戦争などの外から働く強い力が空想動物を生み出してきました。
 そして、その力は強いため「ずれ」は大きくなり様々なイメージを与え、表現者に数多くの
恐ろしい異形動物を表す動機を与えてきたように思えます。
しかし、イメージする力は心の中の奥深いところから自然に生まれてくることもあります。
私はそれを探り当て、そして形にしていくことが私自身の陶制作においてとても大切な過程であると考えています。
 そのような私の思いがこの個展の作品を見て頂く方々に伝わることを心底から願っています。

 

             ♦ 作品のコンセプト ♦

 これらの作品は「犬」をモチーフとした空想動物を表現しています。
形をイメージするきっかけは私の頭の中の色々な音楽の音や旋律やリズムです。
音楽はクラッシクやジャズであることが多く、その音の響きから形が生み出されていきます。
音が形へと昇華していく時に犬の姿や表情は私の心象風景を目に見えるものにするのに最良の
対象となります。音楽を奏でる色々な楽器、それが生み出す音色やリズムは私の頭の中で響きあい、土をちぎって
手にとった瞬間にそれらは「犬の気持ち」と接し合って大小の形へと変化し、同時に融合し合います。また旋律は
私に様々なイメージを与えてくれ、これが犬の表情や目の色へと変化することへとつながります。
このような過程を経ることで、複数の犬の頭と脚は互いに融合し、特に音が絡み合う部分では大小の音が形の大小
となって出現していき、そして「異形犬」が生み出されます。
 犬は私のお気に入りの動物で、美しさやダイナミックさを強く感じさせる存在です。
音楽には時間と共に流れて展開するという特徴があります。この個展ではそのような流れを作品群の配置から
表せるのではという実験的試みにも挑戦しました。全ての「異形犬」には共通した形はなく、
それぞれのポーズの形の流れに沿うように配置しています。
ポーズのそれぞれは「異形犬」の体の大きさ、体の向き、顔の表情が互いにマッチすることを目指しています。
これによって作品群に全体として一つの流れが感じられるような雰囲気を作り出すことを目指しています。

2013年2月5日〜2月10日

2.5-3F
  • 3F-1
  • 3F-2
  • 3F-3

三野惠子 Mino Keiko

                                                                    1988年5月3日生まれ

  所属 : 京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術表現陶芸

                【学歴】
  2007年4月 京都造形芸術大学美術工芸学科・陶芸コース入学
  2011年3月             同       卒業
  2011年4月 京都造形芸術大学大学院芸術研究科・芸術表現専攻入学

                現在に至る

 
                【主な出展】

2010年12月         「ORA展」コート・ギャラリー(東京都国立市)
2011年7~9月       「超カワイイ主義宣言展」志賀高原ロマン美術館
               (長野県山の町)
2011年8~9月  「12’s artist exhibition of twelve~love for japan~」
             ギャラリー米田(大阪市)
2011年9月             「M1展」学内(京都市)
2011年9月        「京都市同時代学生陶芸展」旧・立誠小学校
                                     (京都市)
2011年11月        「日中韓現代アジア陶芸展」國際陶瓷城
            (中国・広州・佛山市)
2011年11月        「超京都」現代美術×名勝渉成園(京都市)
2012年7月            「スパート展」学内(京都市)
2012年9月      「京都同時代学生陶芸展」旧・立誠小学校(京都市)
2012年11~2月 「現代アジア陶芸展」立鶯歌陶瓷博物館
           (台湾・新北市)

 

                【主な受賞】

2011年3月  「卒業制作展」学科賞(京都造形芸術大学美術工芸学科)