kensyo 個展 「霧のむこう、川の手前」
世界からあなたを切り分けている、或いは、世界から僕を切り分けている境界は、何処に在るのか。
もしもそれを輪郭というのならば、人の輪郭とは何か。
人と人の触れ合いというものが在るのなら、その時に僕とあなたを切り分ける境界面は何処なのか。
あなたに内在するもの -例えば体温だとか心だとか、そういうもの- から零れ落ちるmeme(ミーム)が、世界を揺らすその時に、其処にはあなたは居ないといえるのか。
僕という揺らぎを、あなたという揺らぎを、その偏在を、これと定めて掬い出す術などあるだろうか。
僕たちを、個として切り分ける確たる境界が無いとしても、それでも「あなたが僕の前に居る」のだと、時にはそれを「わたしたち」と呼び得るのだと、そう信じる事は、出来るだろうか。
memeの媒介としてリンクを張る、緩やかなノードとして。
2013年3月26日〜3月31日